旅しながら仕事はできる?フェリーでの過ごし方と実働4時間20分

甲板の床に座って膝上でPC作業。手すりの向こうは濃紺の太平洋

こんにちは。海を見るためにPC持って仕事しながら旅する、なぎこです。

「旅しながら仕事って、実際できるの?」「どんな感じでやるんだろう?」——憧れはあるけれど、Wi-Fiは?集中できるの?と気になりますよね。
本記事では、東京〜徳島のフェリーの一人旅で1泊2日を仕事をしながら過ごした様子を、時刻つきで丸ごと公開!電波が切れた時刻も、全身塩だらけになった話も…(笑)。

さらに、2026年9月には3回目の乗船で、始まったばかりの船内有料Wi-Fiも試してきました。その結果も紹介しています。

目次

1. 旅を楽しみながら仕事はできる!— フェリー約18時間で実働4時間20分

オーシャン東九フェリー 東京港(有明)と徳島港を結ぶ航路図
オーシャン東九フェリーの航路。東京港(有明)19:00発 → 翌13:20徳島港着、約18時間

今回乗船したのは、東九フェリー「しまんと」(東京~徳島間)です。乗船時間は19時〜翌13時過ぎまでの約18時間。

※実働時間の記録は2026年3月(しまんと)のものです。2026年9月には同じ航路の姉妹船「どうご」にも乗りましたが、船内の造りはほぼ同じなので、どちらの船に当たっても同様に動けます。

結論から言うと、仕事はできました!
実働は約4時間20分です。

もちろん、オフィスのように仕事がはかどる環境は期待しないでください。「旅×仕事」のリアルをお見せします!

(1)フェリーでの実働4時間20分の内訳と、「できた」の条件

内訳はこうなります。

場所 時間帯 実働
船内(共有スペース) 19:30〜21:30 約2時間
甲板 8:30ごろ〜10:50 約2時間20分
合計 — 約4時間20分

※船に乗っているあいだの時間です。このほかに、バス車内や帰りの新幹線などの移動中も仕事していました。

東京駅を16時50分のバスで出て、徳島港に降り立ったのが13時過ぎ。移動時間は約20時間、そのうち実働は2割強でした。

「できた」の条件は4つ。

  • スマホの電波をPCにテザリングして使うので、ネットの使用はスマホの電波が届いているときのみ
  • スマホの電波があるうちに調べ物を済ませ、オフラインでも進められる形にしておく
  • 船以外の移動手段は、できるだけ座れるものを選ぶ(立ちっぱなしではPCを開けません)
  • 船上では天候に合わせて場所を変える(甲板は風が吹けば即撤収、晴天で明るすぎても画面が見えなくなる)

ちなみに今回の船旅は3月上旬の平日利用でした。職場の場所にもよりますが、1日目は16時台の東京駅発のバスに乗ればフェリーに間に合うので、少しだけ早退すれば、2日目だけ休みを取って(または休日に合わせれば)実行可能です。

また、次のようなときは、旅をしながら仕事するのが向いていないと思います。楽しくないとしょうがないので、無理はしない。

  • 締切が迫っていて、まとまった作業量をこなさないといけない
  • オンライン会議や、即レスが必要なやり取りが入っている
  • 「乗っているあいだも連絡が取れる」前提で予定を組んでしまっている

ガッツリ仕事しないとまずいときは、旅をしながらの仕事はさすがに無理。

私の場合、仕事の波はある程度は予測できるので「来週なら行けそう!」が見えるけど、たまに急ぎの要件が入ることもあるので、前日や当日に「行くぞ!」と決めることがほとんど。それでも大丈夫なのが一人旅の良いところ。(ギリギリ過ぎて早割を逃すこともあるけど…)

そして「フェリー旅×仕事」の最大の壁は、おそらくWi-Fi環境。今回乗った東九フェリー「しまんと」にはWi-Fi環境が用意されておらず(※)、携帯電波も夜9時半ごろから翌朝8時半までの11時間は、つながりませんでした(そしてつながっても不安定)。
連絡が必要な人がいる場合は、乗船前に「この時間は圏外になります」と伝えておくだけで、だいぶ気楽かも。

※2026年3月時点の記録です。現在は、使える範囲は限られるもののWi-Fi環境ありになりました。ただしスマホとタブレットのみで有料です。PCには使えない点が要注意です(2026年9月に自分のPCで確認済み。詳しくは3章(1)へ)。

(2)私が船に持ち込んだ仕事

私は個人事業主で、文章を書く仕事を請け負っています。船に持ち込んだのは、記事の構成と戦略メモづくり。電波があるうちにある程度の情報を収集しておけば、電波がなくなってからはそれを元に「考える仕事」ができます。

例えば、資料の下書き、企画の骨子づくり、たまった議事録の整理、資料を読み込むだけの作業。そういうタスクだけを選んで積んでおくと、ちょっと仕事しようかな、を船内でも気軽にできます。(もちろんセキュリティには十分に注意!)

作業をしながらふと顔をあげると、そこには海。仕事に熱中していても、ふっと体の力がいい感じに抜けていくのを感じられて、なかなか良い感じ。

(3)正直なところ、船の上では仕事はサブです

ここまで実働時間の話をしてきましたが、本音は、船旅では海を楽しむのがメイン。仕事はあくまでサブ。
楽しむところは楽しむ、が基本方針。海を見ながらの仕事も、楽しくできる範囲でしかやりません。

一泊二日、丸々仕事を止めるのはちょっと怖い…けど、フェリー前後の移動時も含めてPCいじりながらなら旅に行ける!
…そんな感じのスタンスです。

実際、旅行中にいちばん仕事がはかどったのは船上ではなく、安定してインターネットが使える陸の移動でした。

区間 仕事のしやすさ
自宅→東京駅の電車 ◎ 平日午後の上りなので空いていて座れた
東京駅→フェリーターミナルのバス ◎ 35分まるごと使える(ただし酔いやすい人は注意。私は途中で酔ってきて、20分で限界でした)
フェリー船内・甲板 △ 海が主役。仕事はサブ
徳島港→徳島駅のバス ◎ 早めに下船しないと座れなくなるので注意
徳島駅→新神戸の高速バス ◎ 完全予約制なので座れる。Wi-Fiあり。電源はスマホ充電のみあり
新神戸→東京の新幹線 ◎ 平日でも意外と混んでいるので指定席推奨。窓際のみスマホ充電用の電源あり

(4)「旅をしながら仕事」の2形態ー「仕事を持ち運ぶ型」と「現地で働く型」

「旅しながら仕事」と検索すると、おてつたびやリゾートバイトといったサービスがたくさん出てきます。これは私のやり方とは別物なので、整理しておきますね。

型 内容 収入の出どころ
仕事を持ち運ぶ型 自分の仕事をPCごと移動先へ持っていく もともとの取引先・自分の事業
現地で働く型 旅先の宿・農家・観光施設などで働く 旅先での就労

この記事は前者「持ち運ぶ型」の実録です。現地で働く型に興味がある方は、専門のマッチングサービスを見たほうが早いと思います。

2. 【実録】東九フェリー「しまんと」×仕事|過ごし方タイムライン — 場所・電波・電源・向く作業

東京駅からバスで東京港フェリーターミナルへ。そして東九フェリー「しまんと」に乗船して、徳島港まで。
旅しながら仕事をする一日が実際どう流れたのかを、スマホの電波と電源の有無もあわせてまとめました。

場所 スマホ電波 電源 向く作業
東京駅~JRバス車内 ○ ー 電波必要な下調べ
フェリーターミナルで乗船待ち ○ —(自由に使えるコンセントは無し) テーブルは無いけど椅子はたくさんあるので落ち着いて作業可能
船内共有スペース △ たまに/有料Wi-Fiはここだけ安定 窓際席にコンセントあり 下調べを使って書く・考える
客室 × 圏外 客室にコンセントあり 寝る以外は使わなかった
甲板 ✕~△不安定だけど使える時間帯も 海を見たり、調べたり書いたり
徳島港~徳島駅行きバス ○ — 調べる・考える

※2026年3月の平日利用。甲板の開放時刻は日によって変わるようです(3回乗船した結果)。
※スマホは楽天モバイルを利用

(1)出発日夕方|東京駅~フェリーターミナルへのバス

仕事は、船に乗る前から始まっています。

東京駅からフェリーターミナルまではJRバスで約35分。この35分は膝の上でPCを開いて、AIと壁打ちしながら方針を固めていく作業を進めていました。

バス車内で膝の上にPCを広げたところ

移動中に仕事をするなら、移動手段は「座れるかどうか」が超重要! 電車でもバスでも、座れさえすればPCは開けます。座れなかったら、おとなしく諦めましょう(笑)。

なので、仕事旅は仕事に余裕のあるときじゃないと楽しみづらいですね。

ちなみにこのJRバス、座席にコンセントはあるものの「携帯電話等の充電に限ります。パソコンの使用はできません」の注意書きつき。PC用のモバイルバッテリーは必須です。

※バス内での作業は、この35分の途中で酔ってきて20分で限界でした。酔いやすい人は無理しないほうがいいかも。

(2)東京港フェリーターミナルでの待ち時間

フェリーターミナルに到着したら、2階でチェックインして乗船まで3階で1時間以上待ちます。
待合所にはテーブルは無いものの椅子が十分にあるので、比較的ゆったりした気分でPC作業がはかどります。

顔を上げれば出航準備中の船が目の前にあって、ワクワク。東京湾がだんだん暗くなって夜景に変化していく様子を見ながら仕事をするのも、私の好きな時間。

3階待合室と窓越しの船
PC作業しながら、ふと顔を上げると出港準備中の船が見える。最高!

(3)出航後〜21:30|船内ワーク2時間、電波切断で強制終了

19時、出航。まずはやっぱり海を堪能したいから、甲板に出て東京湾の夜景を眺めていました。そして寒さに負けて船内へ入ったら、共有スペースの窓際に座って夜景を見ながらお仕事スタート!

東京湾内を走っているあいだは、電波は不安定ながらも入ります。でもやっぱり甲板も気になるので、仕事を進めつつも甲板に出たり入ったり。戻ってきたらまた少し仕事して、また出て。そんな繰り返し。

そして21時30分、とうとう電波が切れました。出航から2時間半。

翌朝は日の出を見るつもりだったし、そもそも海を眺めるメインは明日の午前中。
明日の海を堪能したいので、電波がないならさっさと入浴して寝ます。

※2026年9月の同航路の船旅では23時過ぎまで電波が入りました。様々な条件で変わりそうです。
※ちなみに2026年4月から有料Wi-Fiが導入されましたが、PCには使えないようなので注意です

(4)翌朝8:30~10:50|甲板ワーク!電波が切れたら海を楽しむ

朝は5時40分に起きて、オーシャンプラザで甲板のOPEN待ち。この日、開いたのは6時48分(前回は6時ジャストだったのに!)。
しばらくの間甲板は貸し切りで、海をぼーっと眺めたりストレッチをしたり。どうせ電波もないので、ひとしきり満足するまで、のんびりまったり。

PCを持ち出したのは8時30分ごろ。不安定だけど電波が届き始めたタイミング。そこから10時50分まで、約2時間20分の屋外ワークでした。

晴天の甲板はとても気持ちが良いけれど、PC画面が見づらいのがたまにキズ。画面は曇りくらいがちょうどいいですね。

(5)10:50〜|強風で船内へ・下船準備、下船

10時50分、急に風が強くなったので、船内へ撤収です。(ちなみに9月の3回目の乗船時も、10時半ごろから風が強くなって撤収。まったく同じパターン。)
4時間近く潮風を浴びていたので、髪も服も塩でごわごわ。下船前にシャワーを浴びたり食事をしたり。のんびりと下船準備を進めつつ、船内を楽しみます。

窓辺の鬼辛みそ麺と海
下船前の腹ごなし…(持ち込んだカップラーメン)

下船は13時過ぎ。船を降りると徳島駅行きのバスが待っていて、13時35分に出発しました。このバスはフェリー入港日だけ走る直行便で、徳島駅まで約20分。ここでも少しだけ作業を進めました!

3. フェリーの船内で仕事はできる?一人の過ごし方と作業環境のリアル

今回乗船した東九フェリー「しまんと」は、私が乗った2026年3月時点では船内Wi-Fiがありませんでした。2026年4月からは有料の「au Starlink フェリーWi-Fi」が始まっていますが、使えるのはオーシャンプラザ付近だけ。しかも対象はスマホとタブレットのみなので、PCのネット環境は自分のスマホからのテザリングが頼りです。

ここでは、そんな環境の中どんな感じで仕事をしたのか、紹介します。

船内に掲示されている有料Wi-Fi(au Starlink フェリーWi-Fi)の案内ポスター
船内に掲示されていた有料Wi-Fiの案内(2026年9月・どうご)。24時間1,500円、auユーザーは無料

(1)【2026年9月実機検証】有料Wi-Fiを買ってみた|スマホは快適、PCは繋がらないので注意

東九フェリーでは2026年4月から有料Wi-Fi(24時間1,500円。auユーザーと、UQ mobile・povo2.0のau Starlink Direct対応の専用プランは無料)を開始したので購入してみました。事前申込は不要で、乗船時にWi-Fi「Entry」に繋いでクレジットカード決済をするだけ。

速度は、オーシャンプラザではサクサク快適。

有料Wi-Fiの速度計測(オーシャンプラザ・下り110Mbps)
オーシャンプラザで計測:下り110Mbps
有料Wi-Fiの速度計測(リラクゼーションスペース・下り76Mbps)
リラクゼーションスペースで計測:下り76Mbps

公式では、このWi-Fiを使用できるのはオーシャンプラザ付近のみとしています。船内を歩き回って確認してみたところ、リラクゼーションスペース(船体中央・大浴場近くのテレビのある休憩所)では、オーシャンプラザほどの速度ではないものの使用可能、フォワードロビー(船首の休憩スペース)や屋上の甲板では圏外でした。

部屋は、私が宿泊した女性専用室(2等洋室)はオーシャンプラザのすぐ近くだったせいか、部屋の中央くらいまではかろうじて電波が届いていました。が、私のベッドは一番奥なので届かず。甲板は、屋上は圏外でしたが、オーシャンプラザ脇のドアから出てすぐの場所(乗下船する場所)なら使えました。

ただしこのWi-Fiサービスで一番注意しなければならないのは、「PCには使えない」ことです。スマホにこのWi-Fiを繋いでテザリングも考えましたが、公式の案内でテザリングは利用不可とされていて、そもそもiPhoneはWi-Fiをテザリングで共有できません。つまり、PC作業目的ではこのWi-Fiを契約する意味はなさそうです。

あとはタブレットにこのWi-Fiを繋いで…というのも考えましたが、作業内容にもよりますが効率が悪すぎ。スマホで済む仕事(連絡の返信や調べ物)に使う程度に割り切ります。なので作業としては、スマホの電波が届くときだけスマホのモバイル通信をPCにテザリングして仕事する、というのが私の結論。旅を楽しむ時間も大切。

(2)仕事場所はどこがいい?客室 vs 共有スペース vs 甲板

船内での過ごし方を左右するのが、作業場所選びです。PC作業を行う場所の候補は大きく3か所。

場所 良いところ イマイチな点
共有スペース(オーシャンプラザ) 窓側にテーブルとアクリル仕切り板。海を見ながら作業できる。コンセントあり。有料Wi-Fiが安定して届くのもここだけ ザワザワしている(私は気にならないタイプです)
客室(2等洋室:ベッドの相部屋) ベッドでくつろぎながら。コンセントあり 姿勢がつらい。同室の方への配慮も必要。部屋やベッドの位置によっては有料Wi-Fi圏外
甲板 360度の海。朝は貸し切り状態。オーシャンプラザ脇の屋根付き甲板なら有料Wi-Fiが届く 電源なし。風・潮・画面反射との戦い。机も椅子もない(詳しくは4章)
客室のベッドでPCを開いて充電
2等相部屋のベッド。頭上に電源あり。一口なので注意。携帯電波やWi-Fiは届かない

作業環境としてのおすすめは、やっぱり共有スペース(オーシャンプラザ)。窓側にカウンター席があって、テーブルの上にアクリルの仕切り板が立っているので、自分のスペースが確保できます。窓の外は海。出航直後の数時間は東京湾の夜景が窓に映り込んで、なかなかの作業環境。

消灯時間はとくにないので、夜型の方でも作業できます!

窓側のカウンター席。木のテーブルとアクリル仕切り板
窓際席はカウンターなので、夜景を眺めながら作業できる!
カウンター席の足元にあるコンセント
窓際席には電源があります!

ちなみに共有スペースの席取りの心配はありません。 3月上旬の平日だったせいもあるかもですが、基本的に空いていて、窓際に座れないことはほぼなかったです。

ちなみに、共有スペースの窓際席が埋まるタイミングは次の3回ありました。

  • 出航を船内から見る人が多い場合。9月の3回目の旅では出航時に雨が降っていたのでほぼ満席でした。(乗船したら部屋に荷物を置きに行く前に席取りしておけばよかった!)
  • 日の出のタイミング(甲板がまだ開放されていなかったので共有スペースの窓から見るしかなかった)
  • 下船待ちの人が集まる時間帯。海が見れて電源がある窓際席から埋まります。(みなさん下船前にスマホを充電していました)

※甲板でPC仕事をするリアルは4章で紹介しています!(やろうと思う人はあまりいないかもですが…(笑))

(3)揺れる船内のPC作業は酔わない?

乗り物酔いは、揺れという体の感覚と目から入る情報のズレで起きやすいとされています。画面という近くの一点を見つめ続けるPC作業は、酔いやすい条件がそろっているわけですね。

ただ、船自体はそれほど揺れないので、揺れに強いわけでもない私でも酔いませんでした。(むしろバスの方が酔いました。)

意識していたのはこの3つです。

  • こまめに画面から目を離して、遠くの水平線を見る
  • 揺れが強いときは無理に作業しない
  • 窓のある場所で作業する(外が見えるだけでズレが減ります)

とはいえ個人差が大きいところです。酔いやすい自覚がある方は、乗る前に酔い止めを準備しておくと安心です。

船内のアメニティ自販機でも「酔い止めドロップ」600円を売っていましたが、これは薬ではなくドロップなので、効果はイマイチかもしれません。

4. 甲板で仕事する贅沢と現実 — 絶景オフィスの落とし穴

誰もいない甲板が、360度の海を楽しめる貸し切りオフィスに!——そんな贅沢な環境で仕事できるなんて最高!?
…と思いきや、甲板ワークは2時間20分が限界。

だって、絶景オフィスは、風と潮とテーブルなしがセットですから。

(1)朝8:30、甲板が海上の「貸し切りオフィス」になる

早朝から甲板を堪能していましたが、満足してきたところでPCを取りに戻りました。朝8時半。スマホの電波が届き始めました。まだ誰もいない。貸し切りの太平洋、貸し切りのオフィスの完成です!!

ベンチはないので甲板に座って脚を投げ出し、膝の上にPC。
足元を覗き込むと、手すりの向こうは濃紺の海。風の音と、船が進むゴーッという音だけ。
お腹がすいたら、ポケットに入れておいたおにぎりとパンを食べながら作業しました。PCは横に置いて。

最高かよ!!

甲板でPC作業、船首方向を望む

このときの甲板の音と景色です。船と波の音がBGM。

(2)集中できる?2時間20分の屋外ワークでわかったこと

ぶっちゃけ、甲板オフィスの効率は非常に悪いです。(言わなくてもわかると思いますが)

2日目の朝に甲板にいたのは約4時間。そのうちPCを開いていたのは2時間20分で、残りは海を見ていました。むしろ、そういう仕事の仕方をやりたかったので、私はこれでOK。

旅に持っていく仕事は、のんびりじっくり考える仕事や書く仕事が中心。締切に追われた作業を持ち込むことは、旅自体が楽しくなくなってしまうのでおすすめしません。

床に座って2時間。ときどき立ち上がってストレッチ。思うように進まなくても「ま、いっか」がちょうどいい。

(3)注意点|風・寒さ・潮・画面反射・テーブルなし

現実的な落とし穴を5つ。

  • 風:海の上の天気は変わります。風が強くなったら迷わず撤収!
  • 寒さ:3月の海上は真冬です。ネックウォーマーと指が使える手袋を持っていって正解。9月でも夜の甲板は半袖では寒く、薄手のパーカーを羽織っても肌寒い
  • 潮:体も服も塩でべたべた、髪はごわごわ
  • 画面反射:晴れているほど画面が見えにくくなるので、角度と座る向きで調整
  • 机も椅子もない:膝の上での作業。ときどきストレッチすると気持ちいい。甲板は木の板ではなく硬い床なので、座布団があると幸せです(荷物が嵩張るので私は冬場ストールを敷いています)

PCへの潮の影響は正直、気になりました。途中で心配になってチャッピーに相談したら「少しくらいなら大丈夫」とのこと。信じることにしました(笑)。
実際、私のPCは今も元気ですが、そこは自己責任で……。

ちなみに3月、9月共に、朝10:30を過ぎると段々風が強くなってきました。それまでは、甲板で紙コップに淹れたコーヒーが飲めるくらいの弱風。風が強いとコーヒーどころかパンやおにぎりも無理。吹っ飛ぶのでやめておきましょう。

5. 旅×仕事の持ち物リスト — 必需品と不要品を実体験で判定

旅しながら仕事をするなら、モバイルバッテリーと防寒具。この2つが重要!
持っていったものを、使った・使わなかったで判定します。

(1)持っていって正解だったモノ

持ち物 ひとこと
モバイルバッテリー PCにも充電できるタイプが必須。コードも同様
スマホ(テザリング用) 船内有料Wi-FiはPCに使えないので通信はこれだけ
ネックウォーマー・手袋・上着 3月の甲板は真冬装備で…9月は薄手のパーカーでは足りず、しっかりめの上着が正解
事前ダウンロードした資料 圏外対策。圏外の時間は仕事しない!と割り切るのもひとつ
着替え 甲板にいると塩でべたべたになるので下船前にシャワーがおすすめ
ドリップコーヒーのパック 船内では缶コーヒーかインスタントコーヒーしか売っていない。お湯は船内にあります。ドリップ派なら朝の甲板で飲むコーヒーのために持っていく価値あり(風が弱い日限定)

甲板に電源はもちろんありません。屋外で作業するなら、電源(モバイルバッテリー)は自前で用意するつもりでいましょう。船内共有スペースには電源や充電ステーションもあります。

船内の充電ステーション
充電はできるけど、この場を離れられなくなるな…

時期によりますが、甲板で過ごす時間が多いなら、3月でも防寒具は必須です!ネックウォーマーは首を塞ぐだけで体感がまるで違います。

(2)乗る前チェックリスト

前夜にこれだけ確認しておけば大丈夫です。

  • 資料・参考記事をダウンロードした
  • Googleドキュメントのオフラインモードをオンにした
  • 通信が要るタスクと要らないタスクを分けた
  • PCとモバイルバッテリーを満充電にした
  • ネックウォーマー・手袋・風を通さない上着を入れた
  • 着替えを多めに入れた
  • 圏外になる時間帯を、連絡が来そうな相手に伝えた
  • 雨予報なら:リュックの中身をビニール袋に入れた(PCは特に)/スニーカーに防水スプレーをかけた

(3)あると快適かもなモノ

今回の反省から、次はこのあたりも検討するつもりです。

  • 甲板に敷けるもの(床座り対策)
  • ノイズキャンセリングイヤホン(共有スペースは完全な静寂ではないので必要な人は。)
  • 明るい場所でもPC画面が見やすくなるグッズ類
  • リュックカバー(9月の雨旅で痛感。海外通販なら600円ほどで買えました)

3つ目については、こんな選択肢がありそうです。

グッズ どんなもの
ノートPC用サンシェード(モニターフード) 画面の上と左右を囲って直射日光を遮る、折りたたみ式のフード
アンチグレア(反射防止)フィルム 画面につや消し加工を足して、映り込みを減らすフィルム
PCスタンド 画面の角度を変えて反射をよける。膝上作業の姿勢もラクになります

偏光サングラスは、液晶画面との相性で角度によって真っ暗に見えることがあるので、屋外のPC作業にはあまり向きません。

6. 旅しながら仕事のよくある質問

旅しながら仕事の疑問は、結局「通信」と「向く仕事」の2点に集約されます。検索でよく見かける8つに、実体験の範囲で答えます。

(1)旅をしながらできる仕事は何ですか?旅行好きに向いている仕事は?

A. PCとネットで完結する仕事なら、たいてい持ち運べます。

私の場合はライティングがメインです。船の上のように圏外になる環境では、リアルタイムのやり取りが必要な仕事は向きません。

(2)旅行しながら稼ぐ方法はありますか?

A. 大きく「仕事を持ち運ぶ型」と「現地で働く型」の2つがあります。

この記事は前者の実録です。2つの違いは1章(4)の表にまとめました。後者はマッチングサービスがいくつもあるので、そちらを探すのが早いです。

(3)フェリーにWi-Fiはありますか?電波は使えますか?

A. 2026年4月から有料の船内Wi-Fi(24時間1,500円・auユーザーは無料)がありますが、スマホ・タブレット専用で、PCでは繋がりません(2026年9月に自分のPCで確認)。届くのはオーシャンプラザ付近だけで、客室の奥・屋上の甲板・船首側は圏外でした。

スマホの電波が届く時間帯は2章のタイムラインで、有料Wi-Fiの詳細は3章(1)で紹介しています。

(4)船の上でPC作業をすると酔いませんか?

A. 酔いやすい条件はそろっているので、対策はしておきましょう。

揺れと視覚のズレが酔いの一因なので、近くの画面を見続けるのは不利です。定期的に遠くを見る、窓のある場所で作業する、揺れが強い日は無理をしない。酔いやすい自覚がある方は酔い止めの持参を。

(5)船内に消灯時間はありますか?夜も作業できますか?

A. 消灯時間はとくにありません。夜も、個室はもちろん共有スペースを利用できます。

大浴場が24時間使えるのと同じで、共有スペースも夜そのまま使えました。ただし外洋に出ると電波が消えます(笑)。相部屋の場合は、いつまでもタイピングの音を響かせて作業するのは控えましょうね。

(6)フェリーの一人旅はさみしくないですか?

A. 人によって合う合わないはあると思いますが、私にとってはむしろ楽しいです。

18時間ずっと海です。誰かに合わせずに、見たいだけ海を見て、眠くなったら寝られる。私は甲板でかなりの時間をぼーっと過ごしましたが、一人だからこそできたのかも。でも、そういうのは寂しくなっちゃう、という人には全く向かないと思います。

(7)フェリー以外でも移動中に仕事はできますか?

A. 高速バスでも仕事をしましたが、コンセントには期待せずモバイルバッテリーを準備した方が安心。

私が、徳島からの帰りに乗った徳島〜新神戸の高速バスには、コンセントに「AC100V・PC使用不可(携帯充電のみ)」の注意書きがありました。行きの東京駅〜東京港のJRバスも同じで「携帯電話等の充電に限ります」でした。移動手段ごとの比較は東京〜徳島の行き方比較へ。

(8)フェリー一人旅の過ごし方は?仕事以外の時間はどう埋める?

A. 甲板、大浴場、船内の食事めぐりで約18時間は埋まります。

私は仕事と海を見ることで過ごしましたが、それぞれオーシャン東九フェリー乗船記、フェリー船内の食事・設備ガイド、フェリーの甲板・デッキはいつ開放される?に書いています。

7. まとめ — 旅しながら仕事は「移動時間を潰さず使う」こと

東京駅を出てから徳島港に降りるまで約20時間。そのうち実働は約4時間20分。船旅の2割強を仕事に使いました。(バスや帰りの新幹線ではほとんど仕事をしていました)

  • 船内Wi-Fiは有料(24時間1,500円・au無料)でオーシャンプラザ付近限定、スマホ・タブレット専用。PCでは繋がらないので注意。スマホ電波は東京湾内の約2時間半と、朝8時半以降が狙い目(日によって23時台まで持つこともあった)
  • オフライン時間は旅を楽しむ時間と割り切る
  • 甲板ワークは最高だけれど、強風だと無理だし全身塩だらけになる覚悟で(笑)
  • 仕事効率は悪いことが前提

船の上での仕事はサブです。せっかく海を楽しむためにフェリーに乗ったのに、そこに仕事を詰め込もうとしたら楽しくなくなっちゃう。

今回の旅は、すごく楽しかった!
だから、きっと、またこの船に乗ると思う。もちろんPC持って。

これから同じ船に乗る方は、まずオーシャン東九フェリー乗船記で約18時間の全体像をつかんでおくと動きやすいです。

あわせて読みたい

膝の上のPCと、その向こうの海

甲板の音は、写真より動画のほうが伝わります。この日の朝を19分そのまま撮ったものも置いておきます。

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この記事を書いた人

海を見るためにPC持って仕事しながら旅する、なぎこです。40代の個人事業主(SEOライター)。保健師・助産師・看護師と整体師の資格を持ち、旅の健康・セルフケアは専門職の視点で書いています。

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